軍のドッグタグ

続いて出てきたのは軍用のドッグタグのペアだった。まだしっかりと形を保ち、名前と番号が刻まれていた。地元の警察に連絡が入り、調査の結果、それは海で行方不明になった退役軍人のものだと判明した。漁師は沈黙のまま立ち尽くした。普通の釣りが、悲しい物語をよみがえらせる出来事になったのだ。ある人にとっては、ようやく訪れた癒やしの瞬間だったが、別の人にとっては古い傷を開くものでもあった。
子どものおもちゃの車

鮮やかな赤色で、驚くほど無傷の小さなプラスチックのミニカーが出てきた。それは砂場にありそうなおもちゃのようだったが、まさか魚の腹の中から出てくるとは誰も思わなかった。見物人たちは笑いと困惑を隠せなかった。魚がどうしておもちゃを飲み込んだのか? 一説によると、港の近くでキラキラ光るプラスチックを餌と間違えたらしい。あるいは、沈んだ貨物船から流れ出たものかもしれない。どちらにしても奇妙で、忘れられない発見だった。





