鍵の束

魚の腹の中から、錆びついた鍵の束が出てきた。色あせたストラップがつき、車の鍵、家の鍵、そして小さなボトルオープナーまであった。腐食の具合から、長い間海の中にあったことが分かった。地元の人々は、桟橋で鍵を落とした観光客のものか、あるいはもっと深い謎があるのかと推測した。いずれにせよ、漁師はそれを「魚が食べるべきでない物コレクション」に加えた。その鍵は持ち主に戻ることはなかったが、忘れがたい存在となった。
弾丸の薬きょう

この発見で場の空気が一変した。奇妙な物たちの中に、一発の古びた弾丸の薬きょうがあったのだ。軍用のものらしく、かなり古そうだった。さまざまな憶測が飛び交った——この魚は戦場跡の海を泳いでいたのか? それとも、誰かが証拠を隠すために海に捨てたのか? 警察に通報がなされた。危険ではない可能性が高かったが、「魚の腹の中から弾丸」という事実は、海の底にまだ語られていない物語があることを思い出させた。





