サングラス

ほかの物の間から出てきたのは、大きなサングラスだった——壊れていたが、まだおしゃれな雰囲気を残していた。ヨットやビーチリゾートでかけるようなデザインだった。誰かが「魚が新しいファッションに挑戦したのかも」と冗談を言ったが、現実的にはボートの上から落ちて飲み込まれたのだろう。馬鹿げているようでいて、どこか愛嬌のある発見だった。魚が「失くし物センター」になった瞬間だった。
懐中時計

海藻に絡まって出てきたのは、古い懐中時計だった。錆びついて針は4時13分で止まっていたが、どこか味わい深い雰囲気を持っていた。そこには小さな刻印があった。「息子へ——時間はいつか君を見つける」。その言葉を読んだ人々は沈黙した。まるで小説の一節のようだった。海に失われた家宝が偶然に再び見つかったのだ。それが落とされたのか、捨てられたのかは分からなかったが、その再会は不気味でありながらも美しかった。





