プラスチックの人形の頭

最も不気味だったのはこれだった——人形の頭だけが、目を見開いたまま出てきたのだ。プラスチックは色あせ、髪の毛は絡まり、見た人々に戦慄が走った。人形はもともと怖い存在だが、それが魚の腹から出てくるとは、まさに悪夢そのものだった。ある人は、それが沈んだおもちゃ箱から出たのではないかと言い、また別の人は埋め立て地から流れ出たのだろうと推測した。いずれにしても、漁師にとって忘れられない恐怖の記憶となった。
防水カメラ

まだ密閉されていて、傷だらけながらもはっきりと形が分かる防水カメラが出てきた。ぬめりに覆われていたが、期待できそうだった。丁寧に掃除すると、中のメモリーカードがまだ生きていた。漁師が映像を確認すると、シュノーケリングを楽しむ家族の姿や、カメラが波にさらわれる瞬間までが映っていた。それは持ち主に返され、彼はその奇妙な旅に驚嘆した——特に魚の腹の中での“寄り道”に。





